高校を卒業する君へ

 

高校1年生の春にアイドルになった1人の男の子が、この春、高校を卒業する。

 

とある雑誌のインタビューで、「(高校生活の)思い出は…これといって大きなものはないけど笑、とにかく無事に卒業できてよかった」と笑う彼にどうしようもなく胸がいっぱいになってしまった。

 

普通の高校生として、普通に高校生活を送っていたら、きっと数えきれないほどの思い出を胸に卒業の日を迎えていたことだろう。普通に部活をして、普通に勉強をして、普通に友達と遊んで、普通に恋をして。

 

彼が高校生活を振り返ったとき、そんな"普通"はきっとどこにも存在しない。

 

"普通"を感じさせるところが彼の魅力のひとつではあるけれど、彼はこの3年間、決して"普通"ではない日々を普通に(それがあたかも普通であるかのように)生きてくれていたのだ。

 

そんなこと分かっていた、分かっていたのだけれど、ああ、そうか、そうだよな、と思わずハッとしてしまった。

 

 

私がいまいちばん大好きなその男の子は、臆病だけど思い切りが良くて、弱いけど強くて、勉強は苦手だけど賢くて、お顔が綺麗で、お喋りが上手で、野球が大好きで、声が大きくて、ちょっぴり不器用で、でも一生懸命で、真っ白で、真っ直ぐで、優しくて、かっこよくて、かわいくて、美しい。

 

アイドルとしてはまだまだ不完全で未完成だけれど、そこがまた彼の魅力でもあって、そんな彼だからこうも飽きずに好きでいられるのかもしれない。色んなことが人よりちょっとできない(と失礼ながら私が勝手に思っている)彼が色んなことをできるようになる瞬間を見られるのがうれしくて楽しい。彼が持つアイドルとしての感性や感覚の正しさにワクワクドキドキする瞬間がうれしくて楽しい。彼が思いがけない飛躍を遂げるたびに、世界を回すたびに、脚光を浴びるたびに、新鮮な気持ちでびっくりして、ハッとして、ちょっとドギマギして、勝手にいらぬ心配なんかもして、それでもやっぱりうれしくて楽しい。彼を好きになってから今までずーーーっと、1日も飽きることなくうれしくて楽しい。

 

彼が見せてくれる世界は私にとって常に新鮮で、キラキラと輝いている。未来とか可能性とか、夢とか希望とか、そういう不確かで目に見えないものを、漠然と、でも確かに、信じたい、信じてみたい、と思えるような、いとも簡単に信じさせてくれるような、そんな不思議な力が彼にはある。好きになってよかった、この子を好きでいたら間違いない、ともう何度思ったかわからないし、これからもきっと何度だって思うだろう。そんなふうに好きの答え合わせをしながら彼のことを好きでいられる今が、たまらなくうれしくて楽しい。

 

 

彼が自ら選び過ごした決して普通ではない高校3年間は、彼に何を与えたのか、それは結局のところ彼にしかわからないけれど、少なくとも私には大きな大きな光を与えてくれた。

 

大事な大事な、一度きりの高校生活のすべてを、アイドルというお仕事に捧げてくれてありがとう。

アイドルとして生きる道を選んでくれてありがとう。

 

アイドルとして生きる君こそが、私にとっては大きな大きな光だよ。

 

君が手放した"普通"の数だけ、君が過ごした眠れない夜の数だけ、君が流した涙の数だけ、いや、それよりもずっとずっとたくさんの幸せを、君には手に入れてほしい。

 

 

大丈夫、君にはきっと、キラキラ輝くとびきり素敵な未来が待っている。

 

 

君の夢が叶いますように。

 

 

 

優斗くん、卒業おめでとう!